新たなステージを進むPCデポにとって「理想的なガバナンス」を探求していきます
社外取締役 独立役員
指名・報酬委員会 委員長増田 由美子
当社は2018年、会員様のデジタルライフ全般をサポートするサブスクリプション型事業へと大きく転換し、従業員には、単一的な業務から、事業の土台作りを自ら行うための意識・行動の変容が求められてきました。野島社長の描くビジョンへの到達にはまだ時間がかかりますが、意識改革は進んでおり、今後は、事業の土台作りに必要な情報連携や業務の見える化を進め、仕組みの構築をスピードアップすることが必要です。会員様との接点となる“デジタルライフプランナー”は、当社が提供する価値(ブランド)をイメージできる存在であると同時に、会員様固有のニーズに対して的確な提案ができなくてはなりません。これを実現するための仕組みづくりは重要であり、それについては自身の専門領域を生かした貢献ができると考えています。
また、個人情報を扱う当社事業には高いレベルの透明性やセキュリティが求められます。現会員様の7割近くがシニア層である当社は、これまでにない新しいサービスの提供に伴うリスクから会員様をどう守るのかについて、先を見越した対策をとることが企業の果たすべき責任だと認識しています。
当社は、2019年に指名・報酬委員会を設置し、以降独立社外取締役を委員長におき、現在は過半数が社外取締役となっています。プライム市場に属する企業として報酬や後継者指名に関する透明性の担保は必須であり、納得感のある機関体制を構築するため委員会では常に議論を続けています。特に企業が事業を維持、拡大し、永続的に存続できるかは、経営者次第とも言えるため、指名・報酬委員会の果たす役割は大きいと考えています。
私は、社外取締役としてある課題を常に自身に問い続けています。企業経営の核となる人材、戦略、リスク管理は、ガバナンスにおいても重要な軸となりますが、この3要素を最もよい形でモニタリングするにはどうしたらよいのか。単体ではなく互いがどう影響しあっているのかを踏まえたモニタリングができるよう今後も最適解を模索しながら、社外取締役として役割を果たしていきます。
情報社会の課題に向き合い、社外取締役として貢献します
社外取締役 独立役員馬越 恵美子
2022年6月に就任し、まだ間もない中で非常に驚いたことが2つあります。1つは、外資系企業、日本企業の社外取締役を経験している私にとって、取締役において女性が過半数を占めていて、まったく性別を意識することなく取締役会に参加できる初めての日本企業であり、この取締役員構成は英断と高く評価しています。2つめは、取締役会の空気感が非常にオープンで多様な意見交換ができる場となっていることです。取締役会では、議題のみにとどまらず、そこから発展した多様な会話もなされており非常に良いと感じます。こうした環境は社内においても同様で、生き生きと働く女性たちを見ているとダイバーシティを実現している職場であると感じます。
また、Vision、Missionを掲げ、パーパス経営を推進している姿勢も評価しています。ただ、当社が目指す姿を従業員が日々の業務の中で実践できているか、という点には課題があります。理想の形で事業を推進しつつ収益も上げる、この実現に向けた努力が必要となっています。私は、当社のビジネスモデルに接した際に「クロネコヤマトの宅急便」を思い出しました。
お客様との接点である配達員を「セールスドライバー」と位置づけ、自らが描いたミッションを託し、配達員の役割を大きく変えました。当社のデジタルライフプランナーも同様です。商品やサービスを売る販売員ではなく、会員様のデジタルライフに寄り添いプランを提案していくパートナーとして人生をサポートしていきます。急速に発展するデジタル社会において、こうした存在は必要であり、社会課題の解決に貢献する事業として評価しています。当事業は、その特質上、会員様との信頼関係の維持とリスク管理が重要であり、システムとして不正を防止する体制も必要であると考えています。
当社創業者である野島社長が掲げるVisionは非常に壮大で、その姿を十分に理解するには時間がかかることもあります。全従業員が共に歩んでいくために、社外取締役として忖度せず忌憚のない意見を発し、向かうべき方向に進めるよう責務を果たしていきます。